交通事故 交通事故基礎知識
2021.01.09 2022.11.15

交通事故の死亡保険金に相続税がかかるのか知りたい

交通事故の死亡保険金に相続税がかかるのか知りたい

交通事故で被害者の方が亡くなってしまった場合、相続人が被害者の方の損害賠償金を受け取ることになります。

さて、この死亡事故で発生する死亡保険金などには「相続税」はかかるのかということは、相続人となられるご家族の方も気になるところかと思います。

ここでは交通事故の死亡保険金関係にまつわる相続税についてご説明をさせていただきます。

交通事故の死亡保険金に相続税がかかるのか

生命保険から受け取る死亡保険金は課税対象になる

交通事故で亡くなられた被害者の方が、生命保険に加入していた場合、生命保険金(死亡保険金)が支払われることがあります。

この場合、生命保険金は課税対象になるのでしょうか?

結論から申し上げますと、生命保険金は、相続税の対象になります。

亡くなった被害者の方が、保険料を支払っていた場合、受取人となるご遺族の方に対して支払われる生命保険金には、課税される可能性があります。

ご遺族の方が受け取る生命保険金については、亡くなった被害者の方が支払っていた保険料に対する対価と判断されることから、ご遺族の方は利益を得たと考えられ、相続税が課税されることになります。

遺族に対し支払われる死亡保険金について課税されることがあります。遺族に対し支払われる生命保険金は、被害者の方が支払っていた保険料の対価であり、相続人の方が相続によって利益を得たと考えられるので、相続税が課税されてしまうのです。

ただし、生命保険金は、ご遺族の方々に対して、生活補償の性質があります。よって、生命保険金については、相続税の基礎控除額とはまた別に、「非課税枠」が定められております。

具体的に申し上げると「500万円×相続人の人数」は非課税です。たとえば、亡くなった方の相続人が、妻1人、子2人の計3人となった場合、500万円×3人=1500万円は非課税対象とされます。

つまり、生命保険金は基本的には相続税の対象となりますが、ご遺族の方のために、生活に困らないよう、非課税枠を設けて負担を軽減するようにされています。

 

保険料を誰が支払っていたかで税金が変わる

亡くなった被害者の方が加入する保険に関する死亡保険金は、「保険料を誰が支払っていたのか」によって、税金の種類が変わります。

たとえば、亡くなった被害者の方が保険料を負担し、ご遺族の方である相続人の方が、保険金を受け取った場合においては「相続税」となります。

亡くなった被害者の方ではなく、第三者の方が保険料を負担している場合は、保険金を受け取った方に「贈与税」がかかってきます。

そして、保険料を負担していた方自身が保険金を受け取る場合、一時所得となり、「所得税」がかかることとなります。

交通事故の死亡慰謝料は相続税がかかるのか

交通事故の慰謝料は原則として課税対象外

次に交通事故の死亡慰謝料には相続税はかかるのでしょうか?

交通事故で受け取ることができる死亡慰謝料は相続税については、基本的には相続税の対象にはなりません。原則課税対象外です。

これは、国税庁ホームページにも明記されています。

相続税の対象外である理由は、死亡慰謝料を受け取ったからといって、「被害者の方に得が発生しているわけではない」からです。

基本的に交通事故の死亡慰謝料を含む損害賠償金は「マイナスだった状態をプラスマイナス0の状態に戻す」という目的で支払われていると考えられます。

なお、交通事故の死亡慰謝料については、受け取られる「ご遺族の方の所得」となります。

こうなると、「相続税の対象とはならないが、所得税の対象となるのでは?」とお考えの方もいらっしゃるかと思いますが、死亡慰謝料は所得税法上、非課税の扱い、つまり課税対象外となっております。

生存中に受け取る予定だった場合は課税対象

ただし、被害者の方が亡くなった時期によっては、死亡慰謝料が例外的に、課税対象となることもあります。

例えば、交通事故で怪我を負った被害者の方が相手側と示談交渉を行い、生存中に慰謝料の金額が確定し、支払うことが確定したにも関わらず、示談金を受け取る前に、被害者の方が亡くなってしまったという事案です。

支払うことが確定した、というのは、①示談が成立し、慰謝料の金額について合意がなされた②裁判の判決が確定した場合を指します。

このような事案では、示談金は課税対象になり、ご遺族の方は、相続税を支払わなければなりません。

示談が成立した時点で、被害者の方は相手側に対して「慰謝料を請求できる権利」を得ることになります。

この権利が実行されないまま、亡くなられると、ご遺族の方は権利=金銭債権をそのまま相続されることになります。

相続した場合、「ただの金銭債権」という扱いになり、「慰謝料として〇円請求できる権利」ではなく、「〇円請求できる権利」となります。

つまり、この金銭債権が発生した理由は関係なくなるということになります。よって、相続税の課税対象となります。

人身傷害保険の死亡慰謝料は相続税がかかるのか

過失割合によっては課税される

最後に人身傷害保険の死亡慰謝料について、相続税はかかるのでしょうか?

これは、保険料の支払いを亡くなった被害者の方が行っていた場合は、ご遺族の方が受け取られる人身傷害保険金については、課税される場合もあります。

ここで、注意する点は「人身傷害保険金のうち、本来は加害者側が支払うべきである金額」については非課税扱いです。

つまり、過失割合によって、課税される対象が異なります。

そもそも、加害者の過失部分については、加害者側からご遺族の方へ損害賠償金を支払うべきです。

その部分を人身傷害保険金で支払われた場合、被害者側の保険会社が立て替え払いをしているようなものと考えられます。

よって、加害者から損害賠償金として支払われれば非課税扱いになるのに、被害者の方が加入する保険会社から人身傷害保険金の支払いとなると、課税対象になるのは、不公平であるといえます。

よって、本来加害者が支払うべき過失分の損害賠償金は、非課税対象扱いになります。

(例)

人身傷害保険金が6000万円支払われる死亡事故において、加害者の方に80%の過失がある場合は、4800万円が非課税対象です。

この事故おいて、加害者側に100%過失がある場合は、全額が非課税対象となります。

人身傷害保険金の非課税枠

人身傷害保険金は、加害者側の過失分については非課税であるとご説明をさせていただきました。つまり、被害者の方の過失分は課税対象ということになります。

しかし、被害者の方の過失分についても、生命保険金と同様に非課税枠が設けられています。

具体的には生命保険と同じく「500万円×相続人の人数」は非課税です。

人身傷害保険金の死亡慰謝料についても、本来は課税対象部分であっても非課税枠が設けられ、ご遺族の方の生活において支障が無いように配慮されています。

交通事故問題でお困りの方は、交通事故を多く取り扱う大阪市・難波(なんば)・堺市の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイにご相談ください。

死亡事故の場合における保険金の相続税についてご説明をさせていただきました。

死亡事故の場合、ご遺族の方は亡くなられた被害者の方を悼みながら、様々な手続きを行わなければなりません。

受け取った損害賠償金について、相続税をはじめとする税金関係についてどのように対応しなければならないかを知らなければ、後々面倒な対応が増えてしまう可能性もあります。

死亡事故の場合、ご遺族の方々は損害賠償金や保険金を受け取られる前に、どのような場合において相続税等が発生するのかを確認しておくことを強くお勧めします。

相続税を含め、交通事故問題でお困りの方は、交通事故を多く取り扱う大阪市・難波(なんば)・堺市の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイにご相談ください。

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